JAPAN DESIGN

 

KDDI株式会社

KDDI CORPORATION

au design projectについて

二つ折りタイプのケータイが主流になろうとしていた2000年頃、「どれも似たようなケータイばかり」「もっと優れたデザインのケータイが欲しい」という声を多く耳にするようになりました。au design projectは、そうした声に応えようと始めた活動に端を発します。 2001年5月、自動車メーカーが魅力的なコンセプトカーを発表するように、コンセプトモデル「info.bar(インフォバー)」、「rotary(ロータリー)」、「wearable(ウェアラブル)」を発表しました。それはケータイをデザインの視点で捉え直し、人々が無意識に思い描いている本当に欲しい魅力的なケータイは何かを探し出そうという試みでした。これらのコンセプトモデルは好評を博し、製品化を望む多くの声に後押しされ、2003年10月、「info.bar」をベースとした製品モデル「INFOBAR」を発売しました。
以降、au design projectは、ケータイデザインのパイオニアとして次々と革新的なコンセプトモデルと製品を世に送り出し、ケータイデザインの流れに大きな影響を与えてまいりました。その証として、これまでに発表したモデルのうち「INFOBAR」、「talby(タルビー)」、「neon(ネオン)」の3製品と「MEDIA SKIN(メディアスキン)」コンセプトモデルがニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久収蔵品に選定されました。

WEBサイト:http://www.au.kddi.com/au_design_project/

 

G9

デザイン:岩崎 一郎

外部デザイナ−とコラボレートし、人々の暮らしをデザインする製品づくりをめざすauの新ブランド「iida(イーダ)のファーストモデルとして、プロダクトデザイナー岩崎一郎氏のデザインにより誕生。
道具としての上質感や使い心地を追求して、飽きのこないスライドタイプのボディラインやチタン化合物を薄膜コーティングしたステンレスフレーム・アルミ製キーボタンなどを採用し、上質感と確かな手応えを実現しました。
世界180カ国で使えるグローバル機能に対応、デザインと視認性をバランスさせた、スタイリッシュなグラフィカルユーザーインターフェイスと4種類の世界時計を搭載しています。
機能の進化に応じてつくられたフォルムでも、無理に引き出された個性でもない、これまでの携帯電話にはない上質な手触りと、実用的な「道具」としての説得力を実現しました。

 
 

ガッキ ト ケータイ

デザイン:ヤマハデザイン研究所

昨年夏に開催した「ケータイがケータイし忘れていたもの」展に引き続き、「インタラクションデザイン」をテーマにしたプロジェクトです。今回はヤマハデザイン研究所とのコラボレーションにより、楽器とケータイが融合した時に生まれる新しいユーザー体験を提案いたします。
ヤマハは、伝統的なアコースティック楽器だけでなく「ヤマハサイレントシリーズ」やメディアアーティストの岩井俊雄さんとのコラボレーションによって生まれた21世紀の新しい音楽インターフェース「TENORI-ON」に代表される、既成概念にとらわれない新しいカタチそしてインタラクションデザインを追求した電子楽器を数多く生み出しています。楽しく創造的に演奏するために考えられた電子楽器のインタラクションデザインは、ケータイのインタラクションデザインに豊かなインスピレーションを与えてくれます。例えば楽器を弾くようにメールを打てたら、コミュニケーションの質がぐっと上がるかもしれません。一方、ケータイで気軽に音楽を奏でられるようになれば、人生はより創造的になることでしょう。

 

PLY

デザイン:神原 秀夫

[PLY(プライ)]とは、「積層」を意味する言葉です。ケータイの過去、そして未来が「層」として積み重なっていく。そんなイメージから生まれたコンセプトモデル[PLY]は、カドが28箇所ある画期的な消しゴム「カドケシ」の生みの親、デザイナー神原秀夫氏によるプロダクト&インタラクションデザインの提案です。色彩が豊かに重なり合った「層」のバリエーションは、私たちを情緒的で詩的な気分へといざないます。
また、「層」というコンセプトはケータイの自由度を広げ、こんなギミック(仕掛け)があったら、あんなファンクションがあったらと、頭の中に様々なイメージをかき立ててくれます。今回の展覧会では、デザイナー自身の考える色彩とギミックのバリエーションがペーパークラフトで作られたコンセプトモデルによって表現されています。それらは、私たちにケータイの未来の「層」はどうなっていくのか、どうなってほしいのか、考えるきっかけを与えてくれます。

 

SOLAR PHONE CONCEPTS

[ voyage ]
デザイン:参/MILE

人が初めて月に降り立ってから40年が立とうとしている現在、国際宇宙ステーションの建設により私たちは新たな宇宙時代に入ろうとしています。

宇宙進出が国家同士の競争の象徴であった時代から、協力して研究を行い科学技術の発展を望む時代へ。

さらにその先には、特別な訓練を受けた宇宙飛行士でなくても宇宙への旅行を楽しめる時代が、そう遠くない未来に近づいてきています。

私たち参は、まさにソーラーパネルこそがこの宇宙時代のアイコンであると考えます。

重力から解放された空間に巨大な葉を広げ、いまこの瞬間も私たちの頭上で活動する建造物に思いを馳せ、来るべき宇宙旅行の時代への想像をかきたてる携帯電話です。



[ gem ]
デザイン:参/MILE

人間が生まれるずっと以前から、大地の奥深くで形作られてきた鉱石。

暗黒の地底に存在していたにも関わらず崇高に輝くその結晶は、まるで太陽の存在を最初から知っていたかのようです。

太陽光発電と携帯との組み合わせを考えたとき、私たち参は、あえて陽のあたらない地中に目を向け、地球の歴史のひとかけらを切り出すことにしました。地球こそが、最も太陽のことをよく知っているはずだからです。

ポケットに無造作に収まる塊。
その中には、太陽の光が閉じ込められています。

これは、自然のエネルギーを携帯する携帯電話なのです。



[ SOUP ]
デザイン:坪井 浩尚

量子論では宇宙創世時の時空の区別もなく、あらゆる物質が溶け合った超高温、高密度状態を宇宙のスープと呼ぶそうです。
仏教にも『空』という概念がありますが、固定的実体性がなく、あらゆる現象の全てが関係性の上に成り立ち、相互に依存し合い溶け合った状態を意味しています。
電話、メール、カメラ、音楽プレーヤー、インターネット、そして今回のソーラーパネルによる補助充電機能etc
ケータイに求められるあらゆる機能や要素の中から何かを抽出・特出化させた意匠やスタイルではなく、多くを濃厚に凝縮させた何もないスープのような状態が携帯電話の最も美しい姿だと考えました。SOUPはスクリーンとボディを隔てる淵やソーラーパネル、スピーカーやカメラ、赤外線パネルまで。携帯電話たらしめる由縁や要素、境目を可能な限り消し込み溶かしてゆく事で、イメージの中にしか存在しなかった絵のように、普遍的であくのない純粋な美しさを纏います。